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Merge pull request #161 from tomoya20/feat/alan
Alan et al (2024)
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Original file line number | Diff line number | Diff line change |
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@@ -0,0 +1,75 @@ | ||
--- | ||
id: "27" | ||
title: "教員向けトレーニング" | ||
description: "知的好奇心を刺激するような指導方法に関する教員向けトレーニングの学習効果" | ||
date: "2024-07-13" | ||
category: "education" | ||
categoryLabel: "教育" | ||
tables: [ | ||
{ | ||
"title": "学習成果", | ||
"effectiveness": "効果あり", | ||
"strength": 5 | ||
}, | ||
{ | ||
"title": "知的好奇心", | ||
"effectiveness": "効果あり", | ||
"strength": 5 | ||
}, | ||
] | ||
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points: | ||
- 教師が知的好奇心を刺激するような指導方法のトレーニングを受けることで、児童の理科の成績が向上することが確認された | ||
- 児童の知的好奇心向上も確認され、特に科学分野において顕著であり、女子の方が効果が大きかった | ||
- 介入は教師の知的好奇心や成長志向を高めたことも確認された | ||
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contacts: | ||
- 村川 智哉 (一般社団法人エビデンス共創機構) | ||
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## 背景 | ||
- 発展途上国において就学率は著しく上昇しているが、教育の質は依然として低く、多くの子供が基礎的なスキルを身につけないまま学校を卒業している。 | ||
- 教師やカリキュラムの質の低さ、不十分な教育資源などがその要因と考えられている。 | ||
- 教師の指導方法の改善が教育の質の向上に有効であるかが注目されている。 | ||
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## 介入 | ||
- 2018-19年、2021-22年の2回にわたり介入群に選ばれた学校の教師向けに指導方法に関するトレーニングを実施 | ||
- 知的好奇心と学力との関連などを解説するセミナーや学んだ内容を実践する演習の実施 | ||
- 知的好奇心を刺激する教育ツールキットの提供 | ||
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## 評価指標 | ||
- 国語(トルコ語)・数学・理科の学力テストの得点 | ||
- 知的好奇心の指標 | ||
- 様々な分野に関する興味深い事柄が書かれている冊子(科学分野4種類、非科学分野4種類)や文房具を用意 | ||
- これらの冊子や文房具と交換可能なトークンを児童一人当たり10個配布。児童は8種類の冊子を欲しい順番にランク付けし、所持しているトークンのうち何個を冊子の交換に充てるかを決定(文房具は1トークン=1個のレートで交換可能) | ||
- 各冊子に割り当てたトークンの数を”知識獲得欲求”に関する知的好奇心の指標とした | ||
- 冊子のランク付けも科学分野への知的好奇心の指標として利用。 | ||
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## 分析方法 | ||
- ランダム化比較実験(RCT) | ||
- トレーニングの実施・非実施は学校単位でランダムに割当 | ||
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## 証拠の強さ | ||
- 「SMS:5」 | ||
- ランダム化比較実験(RCT)を行なっており、介入が行われる前の時点で介入群と対照群との間で児童・教師・学校の性質に差異はないことが確認されている | ||
- 介入が行われてから数年後の追加調査の際に14%ほどサンプルからの脱落があり、特に女性や難民の児童を追跡できていなかったが、介入群と対照群との間で差異がないことが確認されている | ||
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## サンプル | ||
- トルコ南部の2つの州の小学校134校、約11,000人の小学4年生と425人の教師が対象 | ||
- 2018-19年には介入群・対照群がそれぞれ25校ずつ、2021-22年には介入群43校と対照群が41校が対象となった | ||
- 2018-19年に対象となった学生に対しては2021年に追加のアンケート調査が行われた | ||
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## 結果 | ||
- 介入後の介入群の児童の理科のスコアは対照群よりも0.073標準偏差高く、同様のスコア差が中学校進学後も確認された。この介入群における点数の上昇は集団内での順位がおよそ3パーセンタイル上がることに相当する。 | ||
- 介入群において児童の知的好奇心が対照群と比較し統計的に有意に高いことが確認された。 | ||
-知的好奇心の強さは、男女どちらにおいても介入群と対照群との差は統計的に有意で、特に女子児童に大きな差が確認された。 | ||
- 科学分野への知的好奇心については、介入群の女子児童は対照群と比較し高くなったが、男子児童においては介入群と比較群との間に統計的に有意な差は認められなかった。 | ||
- 児童間でのピアラーニングや情報共有が活発になったことも観察された。 | ||
- 介入は教師の授業への向き合い方にも好影響を与え、介入群の教師は対照群と比べて知的好奇心が0.199標準偏差高く、成長志向(Growth Mindset)を表す指標も0.278標準偏差高かった。 | ||
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## 研究の弱点 | ||
- 特になし | ||
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## 書誌情報 | ||
- Alan, S., & Mumcu, I. (2024). Nurturing Childhood Curiosity to Enhance Learning: Evidence from a Randomized Pedagogical Intervention. American Economic Review, 114(4), 1173–1210. https://doi.org/10.1257/aer.20230084 |